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コラム

いまだ深い傷跡――ベトナム枯葉剤被害者が米退役軍人らに訴え


 6月10日、米国サンフランシスコで、ベトナムの枯葉剤被害者らが米国退役軍人らを前に自らの状況を語った。

 枯葉剤被害者の会Tran Xuan Thu会長は冒頭、「戦争終結から30年、だがいまだベトナムでは、数百万人が枯葉剤の影響で苦しんでいる。彼らは貧困層の中でも特に貧しく、哀れな人々の中で最も哀れだ。そして、自分の家族に影響が及ぶ姿を目にして、日々悲しみを受け入れねばならない」と話した。

 米国化学薬品メーカーを相手取った訴えは2005年に棄却、長く困難な戦いになると見られている。だがThu会長の「正義が勝利をつかむ。莫大な利益を手にしている化学薬品メーカーは、責任を取り被害者に賠償すべき」との信念はゆるぎない。渡米団Merle Ratner代表も同様だ。「正義は必ず勝つ。30年前の戦いに勝利したベトナム人が、忍耐強さと強い決心を持ち結束すれば、必ず勝利を手にできる」。

 「私も退役軍人。体の一部はなくなりました。私は、あの化学薬品が体にどんな影響を与えるのかを証明する生き証人」とDong Nai省に住むNguyen Thi Hongさんが話すと、会場は静まり返った。

 ハイフォン市のNguyen Van Quyさんは退役から20キロも体重が落ち、現在は37キロ、その衰弱した体はガンに蝕まれている。彼の最初の子供は奇形児として生まれ、生後すぐに死んだ。次に生まれた息子は現在20歳になるが、麻痺があり話すことができない。18歳の娘も知的障害と聴覚障害を持つ。

 Quyさんは、「治療費を捻出するため家も売った。言いたいことは、あの物質が毒であるということ。我々とともに薬品メーカーが補償責任と自らの過ちを認めるよう協力してほしい」と訴えた。

 戦地に赴いた人だけが影響を受けるものではない。軍で料理長をしていた父親を持つNguyen Muoiさん(1983年生)も生き証人のひとりだ。16歳になったころ、背中に痛みを感じ、2003年に医師が脊柱に突起があることを発見、その後の調べで枯葉剤の影響であることがわかった。Muoiさんの父親も、毒素の影響で胃の3分の2を切除した。

 Thua Thien-Hue省で林業を営むVo Thanh Haiさんは、戦時に枯葉剤で破壊された森林の再生をしている。彼は息子が2000年に骨のガンと診断されるまで、自身が枯葉剤の影響を受けていることを知らなかった。残る2人の子供も心臓病に侵されている。Haiさん本人もその後、脾臓のガンであることがわかった。

 被った痛みに肌の色の隔たりはない。『平和のための退役軍人Veterans for Peace(VFP)』代表Paul Coxさんは、「私も戦争に参加した。戦争の証人として痛みを受け入れねばならない」と話す。

 退役軍人で教師のRon Schmidtさんも、「私の生徒がMuoiさんのような痛みを背負うことを思うだけで胸が痛む。裁判で米国政府に訴えが通じるよう願ってやまない」と話した。

 VFPの広報担当Bill Schwalbさんは怒りに満ちた表情で、「私が幼少時代を過ごしたミッドランドにはDow Chemical(ベトナム戦争時の化学薬品供給で最も利益を上げたといわれる会社)があり、住民が影響を受けた。これは我々の戦いでもある」と訴えた。

 枯葉剤被害者に対する補償が認められるまでには、まだまだ長い道程が続くだろう。だが彼らには、ベトナム戦争に参加した人たちを含め、米国民の大きなサポートがある。

(Tuoi Tre)

(2007/06/15 08:23更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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