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コラム |
ベトナム:エイズに侵された村
長らくの貧困にあえぐThua Thien-Hue省Phu Vang県Vinh Xuan村は、エイズの蔓延に苦しんでいる。
村保健センターの統計によると、1999年からこれまでの村全体のHIV感染者数は10人あまり。だが、村で最も貧しいXuan Thien地域では、この8年で8名がエイズにより死亡した。
30代で死亡したTさんは、木材加工職人としてカンボジアで働いていた。異国で暮す寂しさや仕事の辛さから、友人の誘いに乗り現地の歓楽街の女性と関係を持つようになった。知らぬ間に病気に感染、故郷で発病し、末期になりようやく、家族や親しい人に打ち明けた。Tさんがこの世を去って2年後、妻子も相次いで死亡した。
夫から感染したNさんは38歳で死亡、幼い3人の子供は82歳になる曾祖母が育てることになった。苔むした家の中で、曾孫達の世話をしながら彼女は言う。「死期が迫ったとき、母親は一日中痛みでうめき声を上げていた。本当に痛ましい、年寄りが若者を看取らなければならないなんて」。
Xuan Thien地域でカンボジアに出稼ぎにいった木材加工職人は、戻ってきた3分の2が感染していた。地域には歓楽街も無ければ、麻薬など社会問題も無い。だがエイズによる死者、HIV感染率は村で最も高い。
Cさんはカンボジアで愛人を通じてHIVに感染、2003年に亡くなり、妻Lさんも3年後、夫からの感染で亡くなった。6人の子供は農業を営む70歳過ぎのLさんの母親に預けられることになったが、年寄りの手には負えず、下の3人は30キロほど離れた寺に預けられた。「妻の感染を知ったCは、後悔の念にさいなまれていたよ。家中で泣いたね。
保健センターの人達に励まされ、ケアや感染防止の方法を教わり、近所の人から差別されることも少なくなった。私はもうすぐ天に召される身だが、残る孫達がかわいそうで」。
前出のNさんが亡くなった今年初め、村は騒然とした。女手一つで3人の子供を育てていた彼女は、部品販売店と飲み屋を切り盛りしていた。未亡人である飲み屋の美しい若女主人は話し上手で、村のチタン工場で働く工員など多くの男性が彼女に夢中になった。
彼女の死後、Nさんと深い関係にあったと噂されるある工員が自殺した。自殺する前、隣村で金を撒き散らすかのように豪遊する姿が目撃されている。Nさんの兄嫁は話す。「血液検査の結果や薬を見てNがHIVに犯されていることは知っていましたが、私の注意を聞こうともしません。親しくしている男性にもはっきり言ったのですが、彼らも怖がる様子はありませんでした」。
Nさんがチタン工場の複数の工員と肉体関係にあったという多くの村人の証言を受け4月末、Hue鉱産資源開発会社は医師団を招き、350人近くの工員に向けて、病気の検査方法や予防についての講義を行った。
村人はエイズ蔓延に対する恐怖と戦いながら日々の生活を送っている。
Tさんの家を訪ねた。3歳になる愛らしい男の子は、見知らぬ人を見て怯えた様子だ。
保健センターの人が、この子は母子感染している可能性があるので、家族を説得し検査を受けさせるつもりだ、と耳打ちする。子供の足には開いた傷口があるが、何事もないかのように兄弟と遊んでいる。夫の家族は、この子の母親がHIVに感染していると言い、子供と一緒に家から追い出したという。
村の副人民委員長によると、村人のほとんどは農業や水産業に従事、1年間に2,500人が省外へ出稼ぎに行く。副委員長は村の状況をこう懸念する。「『感染が確認されている10人』は氷山の一角。感染者との性交渉があっても検査を受けようとしない人は多く、正確な数字は把握できない。対策を強化するつもりだが、長い時間がかかるだろう」。
(Lao Dong)
(2007/05/29 04:37更新) |
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