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ベトナム:肌の色の異なる親子――30年ぶりの再会


 2007年1月某日、Tan Son Nhat空港に降り立ったある年配のアメリカ人男性を、シクロ運転手から書店の店主、農場経営者などの一団が出迎えた。それは、彼らにとって30年ぶりの再会だった。

 Dick Hughesさんは大学で修士号を取得した後、事業を起こした。ビジネスは軌道に乗っていたが、アメリカのベトナム侵攻に憤慨した彼は、渡越を決意した。テレビに映る戦争の様子や討論集会などから、何かしなければならないと感じた彼は、いてもたってもいられなくなり、友人とカンパを募って、母校カーネギーメロン大学の記者という名目で渡越した。

 1968年4月、上着とズボン2着ずつと現金1,500ドル、そしてベトナムのために何かしようという決意を胸にTan Son Nhat空港に降り立った。タクシーでプレスセンターまで行こうとしたが、場所を知らなかった運転手は彼をアメリカ総領事館に連れて行った。当時総領事館には兵士が多数おり、まるで刑務所のようだったという。
 
 座って書類をまとめていると、皮膚病にかかった、Tシャツに破れたズボン姿の、裸足の男の子が片言の英語で話しかけてきた。「名前は何? 軍人? 一般の人ですか?」。驚きと興味を覚え名を聞くとThangと言う。この出会いが、24歳のDickさんを動かした。

 その後数日間、彼は市内を回りあちらこちらで路上生活をする子供たちを目にした。戦地で家族を殺された子もいれば、片親と仮設住まいの子も。最も多かったのは、家族が行方不明という子供たちだ。

 渡越して1カ月後、Dickさんはホテルから、夜には靴磨きや新聞売りの子供の寝床となるPham Ngu Lao通りにある一軒家に移った。路上で働く子供たちに彼の家で寝泊りするよう毎日呼びかけ、はじめのうちは信用してくれなかったが、しばらくして11人の子供が家にやってきた。

 子供たちが、屋根のある家でゴザを敷いて眠ったのは、この時が初めてだったのかもしれない。朝になり再び仕事に散る子供たち、Dickさんは支援組織に布団や石鹸、食べ物を貰いに行った。

 だが次第に、物資の支援は子供たちの一時の助けにはなるが、ベトナム人としての普通の生活をさせることはできないと思うようになった。そこで彼は、数棟離れた貸し部屋に引越し、ボランティアの大学生を招き子供たちに勉強を教えた。12~13歳の子供たちの中には学校に行ったことがある子もいたが、初めて文字を習う子もいた。

 「渡越して1年経ってようやく、子供らしい自然な顔が見られました」と、嬉しそうに文字を習う子供たちの表情を思い出す。

 1970年、外国紙が路上生活する青少年を支援する彼の活動を報じると、一部の社会活動家がニューヨークで「靴磨き少年募金」を設立、世界各国1万8,000人の寄付がサイゴンに送られてきた。

 そのおかげで、Pham Ngu Lao通りの一軒家のほか、Ngo Tung Chau通り(現No Trang Long通り)、Pham Hong Thai通り、Trinh Minh The通り、Hi Vong 5通り、Hi Vong 6通りに家を借りられるようになった。

 Dickさんがベトナムに滞在していた8年間で、施設は約2,000人の児童を受け入れた。各施設には常時、300人ほどの子供たちが生活していた。

 幼少を路上で過ごしたKietさんは、その頃の様子をこう話す。「Dickさんはよく収容所まで迎えにきてくれました」。昼間靴磨きをする子供たちは、警察に捕まり収容所に連れて行かれた。そのたびに、Dickさんが身元保証人となり彼らを引き取った。そんなKietさんは現在、Pham Ngu Lao通りで書店を営む。現在1区Ben Thanh街区で警備員をするLanさんは、「あの時彼がいなければ、現在の私たちはいない」と話す。

 南部解放の16カ月後、彼は支援施設を自治体に引渡し帰国、『New York Times』や『Life』などアメリカの新聞・雑誌にベトナムの子供たちから学んだ、苦境の中での楽観的な精神、自らの人生を決める気持ちと力など、多くのエピソードを寄せた。「苦境の中でも物乞いや犯罪に手を染めることなく、彼らは這い上がり、人生を変えようとしました」。

 2007年1月――彼らは再会した。その子供たちは今はもう家族を持ち、孫がいる人もいる。路上生活をしなくなった彼らのなかには今も、Pham Ngu Lao通りやDe Tham通りとかかわり生きている人も多い。カントー市やダナン市など、地方で仕事を得て、事業を起こした人もいる。

 Dickさんの来越を知り、彼らは自身の子供たちを連れて会いにきた。そしてDickさんも今回、若い頃の自分とつながりがあった人たちに会わせようと、娘を連れてきていた。彼らに肌の色や血の隔たりなどない。一つの家族なのだ。むろん、行方がわからない人も多い。だがこの30年間、肌の色の異なる人々のために奮闘してきた彼は、彼らの幸せな現在を見て、心を軽くしたのだった。

(Tuoi Tre)

(2007/05/07 06:53更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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