ベトナムホーチミン市証取、ザラ場方式へ
― ホーチミン市証券取引所Tran Dac Sinh所長インタビュー ―
ホーチミン市証券取引所は5月7日から、ザラ場方式を導入する。Tran Dac Sinh所長にお話を伺った。
Q: 導入する新方式について教えてください。
A: ザラ場方式は、現在の板寄せ方式(1度に売買注文を集め整理して売買を成立させる)と異なり、売買条件が合ったものから次々に取引を成立させるものです。VN Indexも常に変動するようになります。これにより、一部証券会社で行われている特定の注文を優先させるといった不正行為も減らせます。
Q: 投資家も取引についてより詳しい知識が求められると?
A: 投資家は専門知識を深め、即断を求められる段階に入ったと言えます。投資のリスクはより高まり、よく研究していなければ、「高く買って安く売る」ことにもなりかねません。これについて取引所は、投資家によく説明するよう証券会社に文書で通知しました。
Q: これまでの板寄せ方式は撤廃されるのでしょうか?
A: 1日の取引を3節に分け、両方を併用します。第1節が、始値を決定する板寄せ方式、第2節がザラ場方式、第3節が終値を決定する板寄せ方式です。
Q: 他に変更点は?
A: 証券取引能力向上については3段階の計画があります。一つ目がザラ場方式の導入。二つ目が、証券会社職員が取引所に出向く必要をなくし、証券会社から直接注文を出せるようにすること。三つ目が、投資家が自宅から証券会社にアクセス、口座残高や持ち株を照会するといった電子取引システムで、今年末には実現したいと考えています。
Q: ですが、取引所のシステム向上に証券会社が追いつかない可能性もあります。
A: 投資家は、どの証券会社が良いシステムを導入しているのか見極める必要があります。われわれも証券会社のシステム導入を手助けするよう協力していくつもりです。
Q: 国内個人投資家に対するメッセージは?
A: これまで多くの機関投資家と話をしましたが、彼らは口を揃えて、数カ月後に家を買うというような目的で個人投資家が投資する市場には、参加できないと言います。このような行為が市場を不安定にしており、年初からこれまでに40~50%も値を上げている銘柄が多数見えます。このままでは、証券市場の持続的な発展は望めません。
(Tuoi Tre/Nguoi Lao Dong)
(2007/04/13 06:15更新) |