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コラム |
高麗に渡ったベトナム李一族 (後編)
1958年、南ベトナムを訪れた韓国・李承晩大統領は、先祖がベトナム人であることを発表したという。韓国在住の花山李氏の子孫も、同大統領が李龍祥の25代目子孫であることを認めている。数百年を経て、花山李氏の子孫たちは「故郷」に目を向けるようになった。
■故郷への回帰
韓国KBSテレビは1995年、Ly Xuong Canさん(花山李氏31代目子孫、韓国花山李氏宗親会元会長)が、Bac Ninh省Tu Son県Dinh Bang村を訪れ、Ly Bat De礼拝堂(李朝王位8人を祀る)を参拝する姿を放送した。
翌年Ba Dinh広場で行われた建国記念式典でCanさんは、Do Muoiベトナム共産党書記長に謁見、「遠く離れた場所にいても、心はいつもベトナムに向いています」という内容の書を贈った。
Canさんは1999年に家族と共にハノイ移住、2001年にハノイでプラスチック処理をするViet Ly社を設立、2005年にはTu Son県で、先祖を祀る礼拝堂の建設を始めた。現在は、老後をここで過ごすよう、父親も招いている。3人の子がいるが、末っ子にはLy Viet Quoc(李越国)という、ベトナムに縁の深い名前をつけた。
■ベトナム人のように――Ly Tuong Tuanの場合
ソウル在住で李龍祥の36代目子孫に当たるLy Tuong Tuanさんは、小さい頃、父から先祖がベトナム人であることを聞かされたという。当時は信じていなかったが、「今は『ベトナム人』であることを誇りに思う」。
簡素なマンションに家族と暮らす彼は、ソウル中心部に本社を構え、金融・証券・会社再建などの分野で10の子会社を持つ、Golden Bridge社の社長だ。ベトナム語は話せないが、先祖の話になると嬉しそうな顔が見える。
「父に感謝しています。生前父は、勤勉さ、あらゆる試練を乗り越えるための忍耐強さ、そして先祖を愛することの重要さを教えてくれました。テレビでベトナムが紹介される時には、『李龍祥の子孫なのだから、それにふさわしい人になりなさい』とよく言われました」。
ベトナムに来る前までは、自分の先祖について漠然としたイメージしかなかったが、実際に訪れると心が掻き立てられるようになった。
初めてベトナムの土を踏んだのは2003年。ハノイ・ノイバイ空港に飛行機が到着し、外に出た瞬間、不思議な感覚を覚えた。その暑さは韓国人には馴染みのないもののはずだが、彼は心地好さを感じ、親しみを覚えた。それから頻繁にベトナムを訪れるようになり、その数は3年間で実に30回にも上った。
最も印象的なことは、Bac Ninh省Dinh Bang村で毎年旧暦3月に開かれる李一族を祀る祭礼に参加した時のことだ。付近の住民は、まるで遠くの家族が久しぶりに帰ってきたかのように、温かく迎えてくれた。嬉しさのあまり涙が止まらなかった。
「どこに行っても家族のように迎えられ、距離などまるで感じません。花山李氏の子孫として、ベトナムの経済発展に喜んで貢献したいと思います」。
Golden Bridge社を通じたベトナム投資を決めた。自分に流れるベトナム人の血が、愛する故郷に目を向けさせたのだろうと彼は言う。2006年初めにハノイで駐在員事務所を設立、9月に100万ドル規模のベトナム法人を設立した際には、自分の美しい故郷と、その発展の可能性を見せたいと、韓国から150人の従業員を招いた。
同社はベトナムでインフラ整備・不動産・教育などの分野で活動し、MBA(経営学修士号)留学生に対する援助や、韓国でのベトナムPRを支援する。目指すはベトナムと韓国、その架け橋となる企業だ。
彼の5人の子供たちも、最初は先祖がベトナム人であることを信じなかった。だが今では先祖の話をしてほしいとせがみ、訪れることを望んでいる。Tuanさんは、「自分達の先祖がベトナム人であることを誇るべき」と彼らに教えている。ベトナムに来ると毎回書店に立ち寄り、子供たちの手土産にする、ベトナムの文化に関する本を買う。
彼が小さな頃は、ベトナムに関する情報が少なかった。そのため自分の子供には、先祖の地をよく理解してほしいという。子供たちのうち4人はアメリカ・イギリス・中国に留学しているが、中学生の末っ子はいずれ、ベトナムに留学させたいと思っている。自分の先祖やその故郷についての勉強を勧めたところ、嬉しそうな顔を見せたという。
Thang Long(ハノイ)遷都1,000年を機に、ハノイに移住する予定だ。これが残る生涯最後の希望という。ベトナムを訪れると、「外国人」、「韓国人」、「李さん」などと呼ばれる彼だが、ひそかにこう呼んで欲しいと思っている――Ong Tuan oi!――そう、ベトナム人のように。
(Tuoi Tre)
(2007/03/29 06:51更新) |
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