対日貿易拡大へ、在日ベトナム商務官インタビュー
昨年の対日貿易、また今後の展望についてNguyen Trung Dung商務官に話を聞いた。
Q: 昨年の対日貿易をどう評価しますか?
A: 5年前の二国間貿易額45億2,000万ドルから、昨年には99億ドルにまで拡大しました。特徴的なのは、ベトナムの貿易黒字となっている点です。
昨年の主要輸出品目は、衣料品が約8億5,000万ドル、水産物は約6億5,000万ドルでした。うちエビとイカで全体の約85%を占めます(エビ:4億5,000万ドル、イカ:1億ドル)。
2003年から急成長している木製品は、同年の対日輸出4位から、2006年にはタイ、台湾を抜き2位となりました。年10%の成長を見せており、輸出額は2億1,000万ドルに上ります。
プラスチック製品においては、日本の輸入額は毎年80億ドルに上りますが、ベトナムからの輸入は5,000万ドルにとどまります。
手工芸品は1億ドル、2006年の日本の輸入額87億ドルから見れば、ベトナムのシェアはとても小さなものです。今年の二国間貿易額は約120億ドルになると見られます。
Q: 今後もベトナムの貿易黒字が続くのでしょうか?
A: 昨年の貿易黒字額は20億ドル超、原油と石炭を除いても4億ドルの黒字で喜ぶべきですが、このレベルでは、すぐにでも赤字に転換する可能性があります。
最近では、ベトナム産エビ・イカに対する検査が強化されました。輸入禁止措置は避けることができましたが、現在も違反が見られることから、今後、輸入禁止となる可能性もあります。
Q: 輸出を維持するにはどのような点に注意すべきでしょうか?
A: 日本では最近、景気回復により個人消費が伸びています。また、高齢化問題が深刻化しています。全人口に占める65歳以上の割合は20%超、世界一の高齢国といえます。よって日本が求めるものは他国と大きく異なります。2050年までに人口が4,500万人減少、一方で高齢者の割合は増加することから、労働ニーズが高まるでしょう。
高齢化により農業従事者も減少します。現在農業に専業として従事する人はわずか4.5%、食料輸入需要も増し、年平均550億ドル程度になると予測されます。ベトナムの食料品輸出拡大に繋がるでしょう。
(Thoi Bao Kinh Te Viet Nam)
(2007/03/26 06:56更新) |