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コラム |
ベトナムのビリヤード場、ボールを並べる女たち
ビリヤード場の女性スタッフの平均月給は80万ドン(約50ドル)、仕事は朝9時〜夕方5時、夕方5時〜深夜12時の2交代制だ。
最も重要なのは「容姿」で、若く綺麗なほど仕事が見つけやすい。「涼しげな服装」なほどプレーヤーに気に入られ、当然チップもはずむ。このため都市部で、この仕事で生計を立てる地方出身の若い女の子も多い。
ゲームの種類は限られており、ボールの並べ方は5分もあれば習得できる。ボールを並べれば仕事は終了、後は座ってスコアをつけるか、その場に待機するだけ。仕事に慣れると、客が少ない時間には暇つぶしと1人で来る客の相手を兼ね、自らも練習する。
仕事はゲームの補助だが、実際には客との「戯れ」がおもな仕事だ。ゲームが上手い女の子ほどプレーヤーに持てはやされ親密になり、食事をご馳走してもらったり、チップを貰えたりする。彼女たちの生活では、給料よりこのチップの方が大切だ。
ボールが一つ見当たらないと客が言えば、彼女たちは腰を屈めボールを探す。すると男性たちの視線は、キャミソールを着て屈む彼女たちの胸に集中する。ほとんどの女の子は意識的に見せている。ある女の子は、ボールをテーブルに並べる時に、男性たちはみな彼女の正面に立ち胸を見ようとすると言う。
Nam Ky Khoi Nghia通りの有名ビリヤード場のマネージャーは、女性スタッフの服装についてこう話す。「きちんとした服装をするよう言ってあるだけで、何を着るかは任せています。『涼しげな格好』をする女の子もいますが、私が無理強いをすることはできません」。
むろん、どのビリヤード場もそのような服装ではない。ホーチミン市で最も有名なビリヤード場、Nguyen Thi Nho通りの「Amy」の従業員は制服だ。テーブル40台を擁する同店では、1台ごとに従業員1人を付けている。綺麗なテーブルに綺麗な従業員、プロのサービス、涼しく広々とした店内という健全なビリヤードクラブだ。
どこのビリヤード場の従業員も給料が少ないと嘆くが、誰もが高価な携帯にバイクを持っている。Le Van Sy通りの店で働くHさんの月給は80万ドン。だが彼女は450万ドン(約280ドル)もする携帯を使い、バイクはAttila、流行のファッションに身を包む店の売れっ子だ。他に仕事を持っているのかと聞くと、全てこの店で稼いでいると言う。だが横から別の女の子が小声で、「男からお金を貰うこともあるけどね」と言った。
店内では女の子たちがファッションや持ち物を競い、常連客の争奪やチップに嫉妬し、古株と新入りの確執は顔にまで表れる。
Truong Chinh通りのビリヤード場で働くLさんは、ボールを並べながら客に言う。「チップは会計の伝票に添えると店に取られるから直接渡してね」。会計時に客が言う通りに3万ドン(約2ドル)を手渡すと、彼女は嬉しそうに受け取るなり「また来てね」と頬にキスをした。この行為に愛情は全くなく、他の女の子たちが自分の顧客に手を出さないようにという、いわばマーキングだ。
Truong Quoc Dung通りの店で働くTさんは、「高校の最終学年まで進学したけど、ついていけなくてやめたの。仕事が見つからず、友達に誘われてここで……」と言う。彼女は夕方から深夜12時までのシフトだが、客がいれば応対し、家路に着くのはたいてい2時過ぎだ。
1カ月後彼女は、Hoang Van Thu通りにある24時間営業の店に移った。小さな店にはテーブルが5台のみだが、深夜になると客で溢れる。かつて客が店内で麻薬を使用し摘発されたことがある店だが、新装開店したてで月給は120万ドン(約75ドル)と魅力的だった。
ある日の深夜、Tさんは常連客の1人に店に遊びに来るよう電話を掛けた。その客が着くと、裂けたキャミソールを着て、右胸に痣をつくり、店の隅に座って泣いているTさんがいた。客がいたずらしたのだが、彼女の馴染の客であったため皆見て見ぬ振りをしたという。その翌日、彼女は仕事を辞めた。
(Sai Gon Tiep Thi)
(2007/03/08 03:26更新) |
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