ベトナムの電力不足、解決に原子力開発が必須
ハノイ工科大学と米ATI社は先頃、ベトナムの原子力エネルギー開発に関するセミナーを開催した。
ベトナムにおける現在の発電の主役は水力と火力。▽風力、▽太陽熱、▽潮力、▽地熱などは生産コストが高く、不安定などの理由もあり、発電量は小さく、電力不足解消には繋がっていない。
計画では2020年までに、出力2,000MWの最初の原子力発電所が操業を始め、全体に対する発電量は2025年に11%、2040〜2050年には25〜30%まで高めていく。
専門家は、ベトナムの生産向けエネルギーの不足はまだ深刻でないとするが、今後不足していくのは明らかだ。2001〜2020年のGDP成長率を年7.1〜7.2%と仮定すると、2020年には2,010億KWh、2030年には3,270億KWhの電力が必要となる。
だがあらゆる電力源を駆使しても、供給できるのは2020年に1,650億KWh、2030年に2,080億KWhでしかない。原子力に関心が高まっているのはこのためだ。
原子力発電は、電力不足の解決、エネルギー源のバランスをとる重要な役目を果たす。韓国は過去20年間で20カ所の原発を建設、現在も10カ所の建設を進めているが、それでも需要の50%にしか対応できていない。
ベトナムでは今後20年間で最低20カ所の原発を建設しなければ、発展や投資誘致に充分な電力を供給することはできない。
世界貿易機関(WTO)加盟、アジア太平洋経済協力会議(APEC)開催などを踏まえ、ベトナムは米・中・露・仏・日本など原発開発推進国との関係を深めており、協力国を得るには今が絶好機といえる。
原発開発の目標・計画は原子力エネルギー開発戦略の中で明確にされている。だがベトナムでは、まだDa Latに核反応炉があるのみで、今後様々な課題にぶつかるだろう。
世界的にも原発建設には、▽莫大な費用、▽住民の安全性に対する不安、▽高レベル放射性物質の処理、▽軍事目的への転用防止、▽現場の安全性確保など障害は多い。だがベトナムにとっての最大の障害は、技術管理者など、知識や経験のある人材の確保だ。
科学技術省原子力エネルギー研究院は、原子力エネルギーの開発や応用分野への投資優遇措置や法整備などが必要になるとしている。現在のところ関連法は放射線管理・安全法令のみだが、年内にはエネルギー法が国会に提出され、これがベトナムの原子力開発にとって重要な法的基盤となると見られる。
(Thoi Bao Kinh Te Viet Nam)
(2007/02/28 05:40更新) |