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コラム

元捕虜の私立戦争博物館


 Lam Van Bangは1968年5月8日、サイゴンTan Son Nhat空港の戦闘で重傷を負い、捕虜になった。Bien Hoaへ送られた後、Phu Quoc島の収容所へ移され、そこで1973年2月まで過ごした。自由の身になった時、体重は35kgにまで減っていた。

 Bangと同じ部隊の戦友が20年をかけて探し集めた2,000点以上の品々は、Bangの1,600m2超の私有地に建てられた博物館に収められている。中傷や反対にもあったが、展覧会や交流会に参加、日本人など外国人記者にも会い、積極的に動いたかいあり、今回Ha Tay省から「元捕虜革命戦士博物館」として、省初の私立博物館として承認された。

 博物館建設を決心した理由をBangはこう話す。「1985年、国道1A号線のGie橋を修復したときに不発弾が見つかった。処理後、爆弾を事務所に持ち帰り、記念の文字を刻んだ。その爆弾を眺めていたとき、ふと、時間とともに忘れ去られるであろう兵士たちが残したものを展示しようと思いついたんだ」。

 話は続く。「収容所にいた人や同じ部隊の戦友を訪ね、参加を呼びかけた。たくさんの戦友が支援してくれ、自分たちが大切にしている記念品を預けてくれた。収容所にいた時の小さな本、爪切り、ヘルメット、水筒、共産党への入党証、手のひら大の党旗……。博物館は部隊を象徴する宝物になった。それは兵士の心の苦しみの象徴でもある」。「20年もの間に嫌になったことは?」と聞くと、「嫌になったことはない。うまくいかない時は確かにあった。そんな時には戦友のことを考えた。私は生き延びたが、そうでない仲間もいる。病院で横たわっていた戦友の足の指が、前の日は10本揃っていたのに、翌朝にはネズミにかじられ数本消えていた光景が頭から離れない」。遠くを見つめるように答えた。

 Bangのことを、頑固な変わり者と言い捨てる人もいる。暮らし向きが厳しかった頃、4人の子供がまだ小さいにもかかわらず、彼の心は別の方に向いていた。1,600m2もの土地を博物館建設にあて、家族の反対はなかったのか? 「もちろんあった。土地は両親が我々5人兄弟に残してくれたもので、末っ子の私に兄が譲ってくれた。博物館を建てようとすると家族の多くは反対したが、一番上の兄が賛成してくれた。彼もPhu Quoc島に送られたことがあったからね。子供も応援してくれた。妻は最初理解してくれず、あちこちから土や線香の持ち手を持ち帰ると、幽霊を連れてきたのかって怖がった。でも、今では協力してくれている」。現在、彼の活動を支援する人は多い。約50人の元兵士が交代で旅行者を案内している。外国人も含め何千もの人がここを訪れた。

 博物館はテーマを設けいくつかの小部屋に分かれている。1号室はホー・チ・ミン主席の筆跡の残る資料が収められている。主席の手が加えられたベトナム国歌の歌詞・遺書・同じ時代を戦ったLe Duan同志に宛てた手紙やテト(旧正月)の祝辞まである。伝統の部屋と名付けられた部屋には、ベトナムに侵攻してきた元軍を撃退したバクダンの戦いの杭、昔の王朝の大剣などが飾られている。兵士の短剣やアルコールランプ、秘密のトンネルを隠した草の蓋、水筒、米壺なども展示されている。抗仏戦争時に投獄された革命戦士の遺品の展示室も設けられ、インドシナ共産党元書記長Tran Phuが投獄されていたハノイHoa Lo収容所の石や、軍事博物館から寄贈されたVo Nguyen Giap将軍の写真などが飾られている。広さ3m×9m、高さ3mの部屋に180人が詰め込まれていたPhu Quoc島収容所の特別収容室の模型や、収容所の看守が捕虜の頭に熱湯を浴びせるのに使用したフライパンもある。

 博物館の庭には烈士を祀った祠がある。それは島のように、蓮の花咲く小さな池に浮かんでいる。収容所があったCon Dao島とPhu Quoc島を象徴する祠には、革命兵士を祀ったさまざまな土地の線香の持ち手や土が納められている。線香を供えると、いつも部隊の戦友が傍にいるような温かい気持ちになる、とBangは語る。

 最も広いスペースが確保されているのは抗米戦争に関する展示だ。部屋に恭しく置かれているのは、兵士の魂、血、骨である手のひら大の党旗。持ち主は10年前にこれをBangに託した。「収容所で共産党の旗を隠し持つには、傷口に巻きつけておくか、糸を歯にくくりつけ、旗を飲み込むしかなかった。看守に見つかって手足を粉々に砕かれた捕虜もいるよ」。

 「敵」の写真を飾った部屋もある。生きる意味を失いベッドに横たわる者、気がふれた者、負傷した者、同じ部隊の者に飛行機から放り出されて死んだ者……。展示室には、軍の階級章、米軍や旧サイゴン政府軍の遁走時に投げ捨てられた品々もある。戦争の後遺症として枯葉剤被害者の写真を展示するコーナーも設けられている。

 「20年以上の間、戦友といっしょにやってきた。多くの人がここを訪れた。外国人、90歳の越僑も迎えたなぁ。ここが戦友の集う場所になるように、そして、祖父や父の世代から受け継いだものを、戦争の遺品を通じて後の世代に伝えていくために、長生きしてここを守り続けたい」、写真見ながらBangは言った。

(Phap Luat)

(2007/01/11 09:01更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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