価格急騰、ベトナム最新お墓事情
身近な人の死は苦難の墓地探しの始まりをも意味する。昨今ベトナムでは、土地不足から墓地市場は静かに熱を帯びている。
墓地探しをしていると、Go Dua(ホーチミン市)には空きがないが、周辺地域なら見つかるかもしれないと知人が言う。そこは北部出身者、またはやむを得ない理由がある人にだけ土地を売るらしい。
サインを知人に頼み、申請書を書いて訪ねると、販売担当者は、墓地管理者用の土地しか残っておらず、売る場所はないとの一点張り。そこでHoc Mon県のHoang Phap寺に向かうと、寺の近くの広大な墓地が目に入った。期待に胸躍らせて寺務所で尋ねると、「2年前に完売しました」
次にCau May寺に行った。墓地に座っていた男性に聞くと、まだ土地があるとの答えだ。草むす「路地」を進んだ先で、男性は両脇に墓が立つ狭い空き地を示し、3,000万ドン(約1,875ドル)と言う。土地の広さも不明な上、埋葬するにも道が分からないため断った。
男性と別れて帰ろうとするとまた別の男性が現れ、墓の土地かと聞く。男性はさらに、あそこは人が埋葬されていた場所で不吉だから「新都市」がよいと言う。「新都市」とは、1区画が1.6m×2.4mに整えられ、Phu My Hung新都市のように美しく、同じ規格の墓が並ぶところだ。
「新都市」の墓はみな大きな道に面しているため、「路地」を通る必要はない。区画は数センチの瓦で囲われ、所有者名が刻まれている。以前は400万〜500万ドン(約250〜313ドル)で販売されていたそうだが、購入者が外国へ行くことになり、5,000万ドン(約3,125ドル)で売りに出しているという。高値の理由を男性は、今はもう土地が残っていないためと説明した。ちなみにこの地域の「この世の人」向けの土地は、1m2あたり200万ドン(約125ドル)だが、買い手はあまりないらしい。
Hoc Mon県を後にし、安い場所はないものかと、もうすぐ立ち退き対象になるBinh Hung Hoa地区に行った。だが途中の寺で会った僧侶が言うには、細い道の区画が約3,000万ドン(約1,875ドル)、大きな道に面した土地は、去年6,000万ドン(約3,750ドル)だったのが、今年は7,000万〜8,000万ドン(約4,380〜5,000ドル)に上昇したとのこと。同僚も、去年3,000万ドンで墓地を買ったが、今年そこは4,500万ドン(約2,800ドル)に上昇していると話す。
Hoc Mon県に戻り、国道22号沿いの小さな寺院に着いた。ここの墓は住宅エリアから広がり、小さいが清潔だ。応対してくれた中年の地主は、残っている土地は少なく、値段は1,500万ドン(約940ドル)、立ち退き対象になる恐れもないと言う。さらに続けて、「誰のお墓ですか? もう亡くなりましたか?」と聞く。重病の身内のためだと答えると、「ここは亡くなった人だけに売っているんですよ」と言う。身内が末期ガンで先が長くない、どうにかならないかと頼むと、地主はしばし考え、内金を入れ1カ月以内に亡くなれば契約し、亡くならなければ内金を返すと提案してきた。土地を買った後に埋葬せず、他に転売しても良いか聞くと、「使わないのなら返してもらいます。ここは亡くなった人のための土地で、生きている人が売買するためではありません」と言われた。土地を見せてもらったところそれは門の角だった。内側から外に順番に売っているそうで、墓地の維持費は毎月5万ドン(約3ドル)かかるそうだ。
ホーチミン市では年平均2万5,000人が死亡しているが、火葬は全体の5分の1に過ぎない。墓一基に土地3m2を要するとして、死者全員が墓を立てた場合、新たに6haが必要になる。死者の数に反比例して土地は減る――墓地不足は加速する一方だ。
(Thanh Nien)
(2006/10/19 06:11更新) |