ベトナムを訪問した日本経団連・奥田会長インタビュー
奥田会長をはじめとする日本経団連の代表団が先ごろベトナムを訪れた。投資先としてのベトナムの魅力、労働・生産に関わる問題について奥田会長にお話を伺った。
Q: 今回の訪越でどのような印象を持たれましたか?
A: ベトナムは日本の投資家だけでなく、世界の投資家にとって非常に魅力的な投資先です。私達はベトナムを単なる生産拠点としてではなく、大きな潜在力を持った市場と認識しています。
Q: 経団連の会長としては、今回が最後の海外訪問となります。
A: 最後の訪問にベトナムを選んだのは、20年前から関心を持っていたからです。特に人材に注目していました。ベトナム人は聡明で勤勉なため、以前から、いずれ投資家の関心を集める国になると予感していました。そして今、ベトナムは高い経済成長を遂げています。政府首脳との会談からは投資環境改善に向けた大きな決意が窺えました。ベトナムは今後も着実な発展を遂げ、東南アジア地域で重要な役割を担うようになると思います。
もちろんインフラなどの点で改善の余地はありますが、投資家にとってベトナムの最大の魅力は人材です。特にハイテク分野の人材に大きな魅力があります。この人材源は経済成長の原動力となっています。
Q: このところDong Nai省の日系企業で労働争議が複数発生しています。これは日本投資家の投資を阻害するでしょうか?
A: 円満な解決が図れるよう、労使が腰を据えて話し合うことが必要だと思います。労働争議は、経済成長の過程ではどこの国でも発生するもので、日本でも1950年〜60年代の高度経済成長期に発生しています。その場合、さらに良好な関係を築けるようしっかりと解決策を話し合うことが必要です。政府首脳もこれに大きな関心を寄せており、解決へ向けた努力がなされるものと思います。この問題が今後のベトナムの投資誘致に影響を与えることは無いでしょう。
Q: 昨年末、Vo Hong Phuc大臣をはじめ計画投資省代表団が日本を訪問しました。その時に日本からの投資を希望するプロジェクトのリストをご覧になったと思いますが、関心を惹くものはありましたか?
A: Phuc大臣が提示されたリストは投資分野を記したもののみで、具体的なプロジェクト名はありませんでした。しかしながらハイテク分野では多数の日本投資家が関心を持っています。なぜなら、ベトナムにはこの分野の投資に対応できる人材があるからです。
Q: 日本車は現在ベトナムで大きなシェアを占めていますが、各メーカーの内地化率は高くありません。日本企業はベトナムの豊富な人材を頼りに製品の組立・加工をするだけで、技術移転の意思は無いとの声もあります。Toyotaの代表としてどう思われますか?
A: 日本企業は、生産のために日本から部品を輸入する必要はないと思っています。しかし現実的に見てベトナムの裾野産業分野は脆弱で、これが今後解決すべき問題になります。ベトナムでの部品生産を望んでいる日本企業は多数あります。
(Thoi Bao Kinh Te Viet Nam)
(2006/03/08 06:52更新) |