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ベトナムの自動車産業、発展に向けた今後の課題

― Isuzu Vietnam社 副社長インタビュー ―

Isuzu Vietnam社のYamada Daisuke副社長にベトナム自動車産業の発展を妨げる問題についてお話を伺った。


Q: ベトナムでの年初9カ月の自動車販売状況をどのように評価されますか?

A: 全体的には決して良い状況では無く、弊社の販売台数は2,000台に留まっています。国際原油価格の高騰が原因という声もありますが、最大の原因はベトナム経済が発展の過渡期にあり、税制に問題が山積していることです。
 財政省幹部は、2006年の自動車部品に対する輸入関税改正で、自動車価格は約10〜20%値下がりするとしており、こうした見方を受けて多くの消費者が買い控えの傾向にあります。しかし一方で4〜5人乗り自動車に対する特別消費税は現行の40%から50%、6〜15人乗りは25%から30%に引き上げられると見られ、自動車価格は下がるどころか全体で約5〜10%上昇するでしょう。


Q: 自動車メーカーにとって最大の問題は何でしょうか?

A: 政策が不透明な点です。政府は自動車産業を国の重要産業と位置付ける一方で、自動車に対する輸入税、特別消費税は引き上げています。また一般市民に対し自動車利用を控えるよう奨励している点も矛盾を感じます。自動車台数の増加で交通事情が更に悪化するという見方も強く、このような状況ではベトナムの自動車産業発展は困難です。
 日本の自動車産業は1960年代に発展を遂げましたが、これは各メーカーが低価格の4人乗り自動車の開発に努力した結果です。タイでは政府・生産企業・消費者の協力により、経済状況や道路事情に相応しい車種が選ばれ、荷物の運搬も可能な乗用車を中心とした生産が始まりました。市場がある程度確立できてからは、コスト削減を目指し部品生産企業の誘致を奨励しました。このような政策によりタイの自動車産業は発展し、現在の年間販売台数は約70万台に上ります。
 ベトナム政府は国内生産の部品調達率30%を目標にしていますが、販売台数が少ない状況では裾野産業の拡大も難しく価格の引き下げは不可能です。販売台数増加に関しては、特別消費税の引き上げが足かせとなっており、政府はこうした点も考慮しなければ現状は変わらないと思います。


Q: 都市部の道路事情は悪化の一途を辿っていますが、交通政策についてどのようにお考えですか?

A: まず一般市民に対する交通教育が必要です。▽交通ルール、▽交通標識の見方、▽交通事故の後遺症などに関する知識を徹底して理解させることが重要です。都市部での交通事情悪化は道路事情だけではなく、ドライバーの意識の低さも大きな原因です。
 ハノイやホーチミン市などの大都市周辺に衛星都市の建設を進め、人口の一極集中を避けることも重要だと思います。各衛星都市には、高級マンション・行政機関・病院・学校・ショッピングセンター・娯楽施設などのインフラを充実させ、都市部との道路網の建設も早急に進めることが必要です。これらを同時に展開すれば交通事情は改善されると思います。


Q: 御社の経営戦略を教えて下さい。

A: 国際ブランドとして、販売代理店・メンテナンスなどの各種サービス、従業員の教育など全ての面で国際水準の維持に努め、消費者にアピールする方針です。しかし人材育成が非常に課題で、ベトナム人スタッフに責任感を持たせそれを持続させることの難しさを痛感しています。


Q: ベトナムでの仕事や生活について個人的な考えをお聞かせ下さい。

A: ベトナム人は非常に友好的で、比較的友人もできやすい国だと思います。一方で細かいことをおろそかにしがちなため、例えば、タクシードライバーが少額のお釣りを返さない事などから外国人との間にトラブルが発生することもあります。
 私は学生時代にベトナム語を専攻し、初めての訪越は1985年でした。当時はお店には品物が無く、みな似たような服を着て自転車に乗っていましたが、仕事で再訪した時には驚く程変わっていました。ベトナムの生活を満喫しており、友人と音楽バンドを結成しストレスを解消しています。


Q: ベトナム人ビジネスマンへのアドバイスがあれば教えて下さい。

A: 仕事を通じて知り合ったベトナム人ビジネスマンに対しては、国際的なビジネス手法に長けていない印象を受けます。ベトナム人であることを意識しすぎるあまり、ベトナムのビジネス手法に固執している面があります。その姿勢も必要とは思いますが、外国人と仕事をする上では広い視野を持ち、良いものは取り入れる柔軟性が大切です。

(Doanh Nhan Sai Gon Cuoi Tuan)

(2005/11/15 09:43更新)

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