サイゴン、不思議な愛着を感じる街
10年近くサイゴンに住んでいるが、この騒々しい街に私は不思議な愛着を持っている。
どこか遠くへ出かけても、戻ってくればまるで我が家のように自然とこの街の生活に溶け込むことができる。仕事や友人関係など、私の生活はあまりにもこの街に馴染んでいて、いつからこんなに愛着を持つようになったのかはよく憶えていない。
街のどこかで思いやりのある人々の優しい感情に触れると、本当に些細な出来事でも、私はどうしようもないほどにこの街をいとおしく感じる。
昨夜、バイクを押しある店から出ようとすると、ある人が、「バイクのタイヤがつぶれてるよ」と言い、身を屈めた。タイヤをよく観察した後、彼は「大丈夫、修理屋でとりあえず空気を入れれば、家まで帰れる」と話し、慎重に私のバイクを押して車道へ出してくれた。
その時は夜10時近くだったが、Nguyen Thong通りとDien Bien Phu通りの交差点で幸運にも2人の若者が熱心にバイクを修理している所に出くわした。タイヤに空気を入れてもらった後、ポケットの中のお金を探していると、「もう少し歩道に寄りな。トラックが危ないから!」と言って彼は前輪までチェックしてくれた。私が1万ドン札(約0.6ドル)を渡すと、彼は友人となにやら話し、戻ってきたかと思うと私にそのまま1万ドン札を返して去って行った。
家に帰り、今夜の出来事を妹に話すと、「私も姉さんのように嬉しい思いをしたことがあるわ。数日前、私が3,000ドン(約0.2ドル)のバインミー(サンドウィッチ)を買い、お金を払う時になって、2,000ドン札と5万ドン札(約3ドル)しかないことに気づいたの。バインミー売りの男の人はそれを見て、『いいよ、2,000ドンだけで』と言って受け取ったの。何だかとてもあたたかい気持ちになったわ」と語った。
サイゴンでは、このような小さな出来事が、時として大きな喜びを人々に運んでくる。
(Thanh Nien)
(2005/08/12 10:05更新) |