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コラム

ベトナムで枯葉剤被害者を支援する日本人女性


 枯葉剤被害の後遺症に苦しむベトナムの子供達を支援するため、1人の女性が日本からやってきた。現在彼女は、Da Nang市にある障害児のための学校でボランティア活動をしている。

 3回目の約束で、私はやっと彼女に会うことができた。握手を交わすと彼女はベトナム語で、「日本から来ましたFujii Akiと申します。32歳の独身で、私はベトナムがとても好きです。できることなら一生、障害者教育に携わっていきたいです」と自己紹介した。

 飾り気がなく快活な印象を受ける。日本では耳の不自由な子供達に英語を教えていたという彼女がなぜ、ベトナムの障害児の存在を知り、彼らを支援したいという思いを抱くようになったのだろうか。彼女は私に、ベトナムで活動するまでの経緯を話してくれた。

 4年前、彼女はバックパック1つで初めてベトナムを訪れ、多くの印象深い出来事を体験した。帰国後ベトナム戦争をテーマにしたテレビ番組を目にした彼女は、枯葉剤被害に苦しむ子供達の映像に大きく心を動かされた。その後、国際協力機構(JICA)が主催するベトナムへの人材派遣募集に申し込み、厳しい審査と試験に合格し渡越した。

 「ベトナム語はとても難しいです」と、彼女は笑いながら言う。言葉や生活習慣を理解するため、彼女はこの4カ月間、毎晩熱心にベトナム語の勉強に取り組んでいる。私たちは英語、ベトナム語、ジェスチャーという3つの手段を折り混ぜ、時折辞書を頼りに話を進めた。

 話が悲惨な子供の事になると、彼女の目は涙でいっぱいになった。彼女は「がんばれ、がんばれ」という言葉が大好きで、ホームシックや悲しい時にはいつもこの言葉で自分を励ましているのだという。彼女は「来てすぐは本当に家族が恋しくて、母親に毎日メールを送っていました」と言う。ベトナムの魅力とベトナムを選んだ理由を尋ねると、即座に「ベトナムは戦争による多くの痛みを受け入れてきました。何世代にも渡り、今もなお戦争被害の後遺症を抱えています。私は子供達のために何かしてあげたいのです。他にもベトナムの魅力はたくさんあります。例えばベトナム料理もその1つです」との答えが返ってきた。

 約1年が経過し、地元の生活にもなじんできた。毎朝彼女は自転車で7時きっかりに出かけ、午前11時30分に家に戻る。1人暮らしの彼女は、誰に会っても自ら笑顔で「Xin Chao(こんにちは)」と明るく挨拶する。食事は一皿6,000ドン(約0.4ドル)の大衆食堂がほとんどだが、日本食が恋しくなった時には、市場で買い物をして自炊するという。しかしそんな時間はほとんどない。彼女は「時間があればインターネットで世界の障害者に関するウェブサイトにアクセスして、子供達への指導方法を研究しています」と語る。

 私は、彼女のクラスを見学させてもらうことにした。中を覗くと4~8歳までの約10名の生徒が、熱心に彼女の手に注目している。子供達は、折り紙の折り方を教わっているところだった。1人の子供に説明を終えると今度は別の子と、彼女は休むことなく動く。クラスのほとんどは、耳が不自由で枯葉剤の影響を受けた子供たちだ。「毎日約2時間、子供達に手話を教えています。ベトナム語の意味を理解しないと教えることができないので、最初はとても大変で試行錯誤の毎日でした」と話す。日本の香川聾学校では英語を教えていたが、この学校では専門分野でない教科を担当することも珍しくないという。

 枯葉剤の影響で障害を抱えるHo Minh Hieuくんという6歳の少年がいた。彼はいつも先生にべったりだ。単純作業でも5~6回教えないと覚えないが、彼はそれでもまた間違ってしまう。30分ほど教え続けてようやく彼は1人で作れるようになった。しかし彼女は、悲しげな声でこう呟やく。「障害のためにHieuは明日になれば、今日教えたことを全て忘れます。でも私はまた教えます。『がんばれ、がんばれ!』と自分に言い聞かせながら」。

 どうしたら子供達と話ができるのか私にはわからないが、彼女は手の動きで子供達と話をする。子供達の愛らしい目は、彼女の魔法のような手を熱心に追いかける。「子供達が本当に理解してはじめて、私の仕事に意味があるのです。難しいですが、努力を積み重ね教え方のコツをつかみ、慈愛の心で接すればきっとやり遂げられます」と自分に言い聞かせているという。毎週木曜日、彼女は子供達にカードやビーズのブレスレットの作り方を教えている。はじめは上手く作れない子供達も、だんだんきれいに作れるようになっていく。耳に障害を抱えた子供達は集中力が高く、彼らが心を込めて作ったカードや絵はとても魅力的だ。

 学校のNguyen Duy Tuyen副校長は、「私たちは、日本人女性のボランティア活動をとても尊敬しています。彼女にとって子供達は全てです。以前ある生徒が逆さまに絵を書いた時、彼女は『面白いね』とほめてあげました。彼女は子供達が自由な発想を持って、感性豊かに成長することを望んでいます。障害児教育というものはそうあるべきです」と言う。彼女は手話を使うための表を探し出し、その表をもとにたくさんの表を作り、全てのクラスの壁にかけたのだという。

 “単身でベトナムに渡り、自転車に乗って現地の暮らしに溶け込んだ日本人”同僚たちは彼女をこう評する。家から学校までの道のりは約3kmだが、彼女は1度も遅刻したことがない。彼女の仕事は地味ながら大きな意味を持つ。
約1年後、ベトナムでのボランティア活動は終わり、子供達との別れの時がやってくる。「次はどこへ行くのですか?」と問うと彼女は、「またどこかでボランティアを続けます」と優しい笑顔で答えてくれた。

(Lao Dong)

(2005/06/11 02:19更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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