ベトナム通信業界、シェア争いが激化
今から1年ほど前、国民はより安価で良質なサービスを期待し、通信分野でベトナム郵電公社(VNPT)の独占状態を打ち破る企業の出現を待ちわびていた。ベトナム郵政通信省による“反独占”政策にも関らず、VNPTが通信市場シェアの95%を占める状況に、利用者はほぼ絶望的な思いを抱いていた。
しかし、この状況はインターネットADSLと移動通信分野で一変した。“巨人”VNPTに挑んだFPT社が、2005年5月半ばまでにADSL市場シェアの40%を占め、VNPTに肩を並べようとしているのである。VNPTのADSL契約件数は4万件、FPTは3万5,000件だが、FPTの伸びは著しく、VNPTを超えることはおろか今年末には10万件達成も見込まれている。すでにホーチミン市ではFPTの契約件数は2万2,000件と、VNPTの1万7,000件を超えている。
移動通信分野では、Viettel Mobileが正式活動開始から7カ月あまりで契約50万件に達した。現在Viettelの契約件数は一日あたり6,000件と、MobiFone(5,200件)、Vinaphone(3,500件)を超えている。新規参入企業にシェアを奪われた形となったMobiFoneやVinaphoneだが、シェア奪還どころか、続出する利用者の乗り換えに右往左往している状態だ。
ベトナム通信市場は急速かつ劇的な変化を遂げた。利用者はわざわざ郵便局まで足を運びADSLの申込み手続きをする必要はない。FPTやViettel Internetは担当者が自宅を訪れ手続きの一切を行ってくれる。移動通信分野でも、VinaphoneとMobiFoneに続きViettelも通話エリアをベトナム全土に広げた。しかも料金は格安だ。
VNPTの大きな強みだった全国規模のネットワークも、技術の目覚ましい発展と、良質なサービスを求める消費者の前にその強みを失いつつある。かつての巨人はインターネットと移動通信分野で他社からの攻勢を受け、もはや絶対的な優勢を保てなくなっている。通信分野は利用者主導の市場となった。
(Thuong Mai)
(2005/05/31 06:05更新) |