貧富の差が拡大傾向
統計総局によると、ベトナムでは1993年以降貧富の差が拡大している。1カ月の所得額の上位20%を富裕層、下位20%を貧困層と定義した場合の所得格差は、▽1990年・4.1倍、▽1991年・4.2倍だった。それが▽1993年・6.2倍、▽1994年・6.5倍、▽1995年・7倍、▽1996年・7.3倍と徐々に広がり、▽1999年・7.6倍、▽2002年・8.1倍となり、現在はさらに拡大していると推測される。しかし、貧富格差を2003年統計で諸外国と比較した場合、▽マレーシア・12.4倍、▽フィリピン・9.8倍、▽米国・9倍であり、ベトナムは相対的には貧富の差が大きいとはいえない。また、ベトナムでは公務員でも給料以外に副収入があることも多く、正確な所得を把握し、統計に反映させることは難しい。
貧富格差を測る別の方法として世界銀行の指標がある。各人の所得額を高い順に並べ、所得額の最低から40%で高所得層と低所得層とを区別する。低所得者層の所得総額が全体の所得総額に対し12%未満ならば不平等社会、12〜17%であれば理想的ではないが容認できる範囲内、17%以上であれば健全な社会構造と定義されている。この方法でベトナムみると▽1995年・21.1%、▽1996年・21%、▽1999年・18.7%、▽2002年・19%となり、貧富格差は大きくはないが拡大傾向にあることがわかる。
貧富格差拡大に歯止めをかけるには、低所得者層の底上げが必要だが、ベトナムでは天候などに大きな影響を受ける農林水産業の就業人口が多いのが現状だ。また、教育水準の引き上げや失業対策も重要な課題で、国内で横行する非合法な商取引、脱税、賄賂などの悪習慣が経済発展を阻害している点にも留意しなければならない。
米国は建国以来、資本主義によって経済発展を遂げた。資本主義の功罪の1つに貧富格差の発生があり、米国の貧富格差は9倍だ。一方ベトナムは資本主義ではないが、貧富格差は8.1倍以上に達しており、早急に対処しなければ社会不安を招きかねない。
(Thoi Bao Kinh Te Sai Gon)
(2005/04/01 12:36更新) |