市場開放交渉でベトナムの厳しい現状理解を求める
ここ数年にわたり、世界はベトナムの経済改革を高く評価してきた。先日、ドイモイ政策施行20年の総括をテーマに開かれた研究会では、国連開発計画(UNDP)ベトナム事務所Jordan Ryan代表が、ドイモイ政策を近代経済システム移行例のなかで最も成功した例として評価した。
ベトナムの経済発展は事実であり、こうした評価に批判的な者はいないはずだ。だが、一部のエコノミストが警告するように、称賛のみを受け入れ批判を無視するようではベトナムの現状を誤認することになりかねない。例えば首都ハノイからわずか数十キロに貧しい農村地帯を抱えることをどれだけの人が知っているだろうか。また、ベトナムの国民1人当たりの平均年収はUNDPによると2,300ドルだが、実際は480ドルに過ぎず、国連指針の“平均日収2ドル”には遠く及ばないのである。
こういった認識のギャップが、近年盛んに諸外国から要求されている市場開放交渉でベトナムの立場を危うくしている。NGO団体OxfamのQuin研究委員長は、対ベトナム交渉に臨む外国人のほとんどが実際にベトナムを訪れたことはなく、新聞や雑誌の情報でしかベトナムを知らないと断言する。このため諸外国は中国やブラジルのような、発展途上国のレベルを脱した国と同様の条件をベトナムに要求できると考えているのだという。このような誤った認識を基に多分野での早期市場開放を強いられた結果、損害を被るだけに終わってしまう恐れがあるとQuin氏は警告する。
一方、中国は過去に世界に対して自国の厳しい現状を示すことで、“援助を必要とする国”として理解を得た経緯がある。これにより市場開放の際にも数々の優遇措置が与えられ、かつ当時1人当たりの平均年収が1,000ドルを超えていた中国が、平均年収800ドル以下の国でしか得られないような援助も受けられたのである。
このように自国の不利な点や批判対象を巧みに利用し、有利な条件を引き出す戦略も有効だ。不当な競争に巻き込まれぬよう、自国の真の姿を理解し、利益を得る術を知ることも重要なのである。
(Nguoi Lao Dong)
(2005/02/02 10:27更新) |