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コラム

ホーチミン市の水上生活者たち


Dong Thap省Tan Chau県出身のBa Hiepさんは、祖父の代から小船を住まいとして暮らしてきた。父親が亡くなったあとも船で果物を売買する生活を続けている。家族は老いた母親に妻、そして家計難で学校に行けなかった4人の子どもたちだ。

現在、一家はホーチミン市6区Tran Van Kieu通り沿いの川で生活している。農産物や肥料を船上で売るのが仕事だが、朝から晩まで働いても日収は4ドルにしかならない。妻の仕事は果物の路上販売で、日収は2.5ドルだ。公安が取り締まりに来ると店をたたみ、いなくなればまた広げる。母親は70歳を超えているが、船首に座り一日中働かなければならない。彼女が疲れて居眠りをしたすきに薬物中毒者に売上金と商品をすべて持ち去られてしまったこともある。

夜になると一家は船に集まり食事をとり、水浴びや洗濯もする。生活に必要な水は一缶(100リットル)3,000ドンで業者から買っている。サイゴン川は汚染がひどいため、メコン川のように水浴びしたり、生活用水として使うわけにはいかないのだ。就寝時には接岸し、子どもたちが岸で横になり、夫妻と母親は船室で眠る。Ba Hiepさんは、「母は年のせいで体がすっかり弱くなりましたが、今の家計ではわずかな稼ぎでも必要なのです。老人が売っていると同情して買う人もいるのです」と打ち明けた。

Ba Hiepさん一家は2、3週間に一度、果物を仕入れに郷里のTan Chau県に戻る。往復するだけで1週間を要し、仕入れたものを売れば毎回20ドルほどの収入になる。長い航路は常に平穏無事というわけにもいかない。Tan Chau県への道中で水上警察の検問所に4、5回立ち寄らなくてはならないのだが、各所で安心料として3ドルを払うという暗黙のルールがあり、もし払わなければ道中の安全は保証されない。というのも検問所の先には盗賊が身を潜める危険な水路が待ち構えているからだ。危険な地域に入る前には用心棒を雇う。男は船首に陣取り2メートル近くある櫂を手にし、盗賊がいないか目を光らせる。大量の商品を運ぶときは何艘かで協力し合って運ぶが、ホーチミン市1区に戻ってくるとそれぞれの停泊地へ帰って行く。Ba Hiepさん一家は典型的な水上生活者だ。一年中休まず働いても生活費を稼ぐのが精一杯で、貯蓄とは無縁の暮らしだ。

別の機会にバナナ運搬船に居住するHai Meoさん一家を訪ねた。この一家には年子で4人の子どもがいる。一番上の子は学校へ通わせるためAn Giang省Chau Doc県の親戚に預けている。下の3人は両親とともに水上生活を送っており、私が船に乗ると見知らぬ人間が怖いのか泣き出してしまった。奥さんは売上金を勘定しながら、忙しく料理をしていた。Hai Meoさんと話をしていると、奥さんが来て夫に耳打ちした。あわてて船尾へ向かう彼は、「すみません。別の日にまた来てください。妻が川に売上金を落としてしまったのです。今すぐ川に飛び込みます」と叫んだ。汚い川に潜れば水浴びの水を普段より余計に使わなくてはならないだろう。

メコンデルタ出身のHai Huongさんもホーチミン市内の川でバナナを商っている。彼女の船は16トンと大きく、彼女と娘、妹の子どもたちの計4人で暮らしている。妹は水上マーケットで有名なCan Tho市で水上生活を送っているが、生活難から2人の子どもを姉に預けているのだ。

Hai Huongさんはホーチミン市6区Tran Van Kieu通り沿いの川に停泊しているが、週に1回はSoc Trang省Ke Sach県の郷里に帰り、良質のバナナを仕入れ、ホーチミン市で得意先に売る。往復のルートは決まっており、ホーチミン市からKe Sach県まで最速で所要13時間だ。彼女はホーチミン市に着くと3日間船をもやい、それから帰郷する。生活はこの繰り返しだ。

水上生活全般を彼女が1人で切り盛りし、Tran Van Kieu通り沿いで13年間暮らしてきた。1カ月に3、4回はホーチミン市で商品を売り、毎回の収入は約60ドルと生活費には不自由しない。彼女の悩みの種は今年で30歳になる1人娘だ。水上生活が長いため陸の人と交わるのを恐れ、まだ結婚相手を見つけられずにいる。私が写真を撮ろうとカメラを向けると彼女はどこかへ隠れてしまった。

水上生活者は扱う商品によって居住地域が分かれている。ホーチミン市6区Tran Van Kieu通り沿いには100艘以上が停泊しており、バナナ、菊、ニンニク、豆などを主に扱っている。8区Tan Binh Dong通り沿いは約40艘の船が停泊し、主にパイナップルを商う。4区Ton That Thuyet通り沿いは70~80艘がザボンやバナナを売っている。

水上生活には苦労が絶えないのだが、彼らは自分の運命を嘆くこともない。陸に上がって工事現場などで働くより船で暮らす方がいいと言う。仮に陸で仕事を見つけたとしても住む家がないのだからどうしようもない。船で暮らし衣食さえ足りればいい。しかし子どもが結婚するときには水上生活の仲間たちに2、3杯の酒を振る舞えるくらいのお金を貯めたいと願っている。
彼らの生活はシンプルだ。娯楽も限られている。身を粉にして働いたあとはテレビで海外の歌番組やドラマを観て楽しむ。ときには船室の屋根に上がって郷里の歌を唄う。

彼らのほとんどは陸に家や小さい畑を持つ夢を抱いている。あるいは同じ水上生活でも常に一カ所に停泊できれば生活が安定するだろうと考える。すぐにも叶えられそうな夢だが、現実はそう簡単にはいかないようである。

(Lao Dong)

(2005/01/03 06:07更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

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