遊ぶ金欲しさに我が子を売る
ベトナム ホーチミン市Binh Chanh県Binh Hung村人民委員会のHuynh Van Ba委員長は、「遊ぶ金欲しさに子供を産んでは売るという、良心のかけらもない人々がいます」と、赤子売買の現状について語った。
国道5号線沿いの住民でHの名を知らない人はいない。少女時代のHは美しく、18歳にならないうちに家庭を持った。彼女に関するあまたの噂の中でも一際目立つのが、赤子売りについてだ。
Hはこれまで4人の夫を持った。初めの2人と別れた後、Hは足に障害を持つ地元の男と結婚した。定職の無い夫婦はHの実家に居候し、荷台車に空芯菜を積むと市場を回って売り歩いた。長女が生まれた頃から2人はカード賭博に夢中になり、夕食を済ませると、それぞれの賭博仲間のもとへ向かう生活が続いた。次第にあらゆる賭博に手を出すようになり、借金ばかりが溜っていった。
Hはある日、長女を産んだ時に病院の前で見かけた赤子売買の仲介人の姿を思い出し、さっそく一稼ぎすることにした。Hが妊娠すると、夫婦はTu Du産婦人科病院の前で仲介人を探し、生後1週間の赤ちゃんを700万ドン(約467ドル)で引き渡す話をまとめた。
しかし、借金を返済し遊んで暮らせるのも数カ月間だけだった。H夫婦はたて続けに3人の子供を作り、仲介人に1人あたり700万〜800万ドン(約467〜533ドル)で売った。
Hが何度も養子縁組の申請に来ることを怪しんだBinh Hung村人民委員会がこの夫婦を呼び出すと、ようやく2人は悪事を認めた。Hの母親は、「おまえたちが赤子を売ったお金で生活するなんて私には耐えられないと怒鳴りつけても、あの子は『自分の子だから自分の好きにする』と言って聞く耳を持たないのです」と嘆き、孫の名前を1人ずつ挙げては、「思い出せば涙が出て仕方ない」と泣いた。
ホーチミン市Hoc Mon県Thoi Tam Thon村に住むNは、28歳の若さで既に6人出産し、6人とも売った。Binh Chanh県Tan Tuc村に住んでいた20歳の頃、近所の妻子持ちの男との間にできた子を産んだ。産後2日目、ある女性から出産費用全額と1,500万ドン(約1,000ドル)で赤ん坊を譲ってくれないかと持ちかけられ、同意したのだった。
Nはその後Hoc Mon県に引っ越し、半年後には妻と別れたばかりの男と暮らし始めた。この男は一日中酒に浸り、Nもただ金を使うだけで常に借金を抱えていた。そこで2人は子供を作って売ることにした。生まれた男の子は、子宝に恵まれない夫婦に1,200万ドン(約800ドル)で売れた。8年の間にNは男児2人、女児4人、合計6人の子供を売り、9,000万ドン(約6,000ドル)を得た。6人目の子供は、今年初めオーストラリアの越僑に2,800万ドン(約1,867ドル)で売り、そのお金でバイクSuper Dreamを買い、残りは2人で山分けにしたという。
Huynh Van Ba委員長によると、赤子売買の事実を知った場合、人民委員会は当事者を呼び出し彼らの行為を諌めるという。Ba委員長は、「本当に頭の痛い問題です。これはプライベートな問題でもあるので、干渉するにも限界があります。しかし、倫理的に考えれば、『家庭の事情』の一言では片付けられません」と話した。また、Binh Hung村には、他にも我が子を売りたがる人が少なからずいるという。麻薬中毒者を夫に持つLは、毎日ぼろを着せた4人の幼子を連れて宝くじを売り歩きながら子供の買い手を探している。
Hung Vuong産婦人科病院のTa Thi Thanh Thuy医師によると、バイクタクシーや仲介人を通じた乳児の密売ルートがここ何十年間に渡り産婦人科病院の界隈にはびこっているが、個人的な問題でもあり、医師たちは強制的に止めさせる事は出来ないという。
この病院の前で仲介をしているThanhという男は、毎月5、6件の依頼を受けており、“お得意さん”もいるという。彼は、「赤ん坊を売りたいっていう人は結構いるんだ。前は少なかったけど、今ではちっとも珍しいことじゃなくなったね」と話す。
(Nguoi Lao Dong)
(2004/10/09 02:54更新) |