HOTNAM!ベトナム最新情報 HOTNAM!トップ | ベトナムニューストップ ベトナムニュース 【The Watch】 ビジネス最新情報

トップ ニュース フォーラム 基礎データ 書店 生活情報 ディレクトリー
 ニュース検索
 ニュースカテゴリー
ニューストップ
政治・経済
投資・進出
日系企業情報
事件と出来事
統計情報
人事・法律・会計・労務
社会とトレンド
コラム
クローズアップ
インタビュー
 TheWatch ニュース
週4回(火・水・木・金)電子メールで最新ベトナムニュースを送付、日系進出企業の定番情報収集メディアとなっています。
定期購読(TheWatch)
 ベトナム関連書籍
ベトナム関係の書籍情報をさらにジャンル別などで細分化し、分かりやすくベトナム関連情報を紹介しているインターネット本屋さんです。
HOTNAM!ベトナム書店

コラム

数百年の歴史を持つ、真夜中のすげ笠市場


 Binh Dinh省An Nhon県Nhon Thanh村にあるすげ笠だけを扱うGo Gang市場は数百年前に誕生し、戦火を潜り抜けて現在も夜中の12時から早朝までロウソクとオイルランプの灯りだけで開かれる珍しい市場だ。
 市場は国道1A号線から1本入った場所にあるが、周辺には街灯ひとつ無いため、私が訪れた午前2時、辺りは真っ暗だった。そこへ、「父さんの故郷はDap Da、母さんはGo Gang、あの人はPhu Gia…」という耳慣れない歌を口ずさみながら、ランプを下げた自転車にすげ笠を積んだ女性がやってきた。「随分早いですね」と話し掛けると彼女は、「もう何年も前から、この市場にすげ笠を売りに通ってるんだ。目覚ましなんて無いけど、いつもこれ位の時間に来るんだよ」と話した。先ほどの歌について尋ねてみると、「この辺りの人なら誰でも知ってるよ。Go Gang、Dap Da、Phu Giaのすげ笠は有名だからね。この歌を聴けば、遠く離れていても故郷を思い出すんだ」と教えてくれた。
 午前3時頃になると市場は活気付く。近くの村から人が集まり、売り手と買い手の掛け声が飛び交う。市場ですげ笠をひときわ高く積み上げていた、仲買をして10年になるというDungさんに話を聞きながら市場を見て廻った。彼女は、「この市場は、昔からランプの明かりだけだったから、暗いのには皆慣れてるんだよ。すげ笠を売りに来るのは近辺に住む農家の女性で、農作業の合間にすげ笠を編んで生活費の足しにしているんだ」と話す。この地域に電気は通っているものの、市場に街灯を点す余裕は無いため今でもランプを使っている。しかし、このランプの灯りがGo Gang市場の魅力を一層引き立てていると言えるだろう。
 しばらくすると、いくつにも重ねたすげ笠を頭に載せた40代の女性がやってきた。Dungさんが、「今日は何個?」と尋ねると、「25個」と答えた。Dungさんはランプを手に、すげ笠を一つひとつ調べ、「1個2,700ドンね」と言うと、相手は3,000ドンだと言い張り、交渉の末、2,800ドンに落ち着いた。Dungさんは腰を下ろし、ランプをかざしながら札を数え7万ドン(約4.7ドル)を渡した。「安いでしょう? ここでは高い時でも1個3,000から3,500ドン程度なんだよ」と彼女は言った。この市場では1晩に5,000~6,000個のすげ笠が取引され、近隣省の他、メコンデルタ地域にも運ばれて行くという。
 午前4時になると、仕入れたすげ笠を袋詰めする仲買人の姿が目に付くようになった。市場の中央ではすげ笠の材料が売られ、先ほどすげ笠を売っていた人たちが買い求めていたが、仕入れる量は少ない。そのうちの1人に、何故まとめて買わないのか尋ねると彼女は、「すげ笠を売ったお金で買える分だけ仕入れるの。どうせ毎日来るんだから」と話した。
 Phu Gia集落に住む70代のLienさんは、「幼い頃からここに何度足を運んだか数え切れないね。雨が降っても風が吹いても、近所の人たちと毎日一緒にすげ笠を売りに来たもんだよ」と話す。戦時中は、爆撃音が聞こえると、皆黙ってランプの灯りを消すと防空壕に身をひそめ、爆撃音が遠ざかると再び商いを続けたそうだ。Lienさんは、Phu Gia集落特産の「乗馬笠」についても話してくれた。それは、Phu Gia集落でしか作られていない特別なもので、昔は役人が乗馬専用の笠として使用していたことから「乗馬笠」の名前がつき、人々の誇りとなっている。1960~70年代に米軍が上陸した際、多くの農村では住民が銃殺され、家を焼かれるなどの被害に遭った。ある日、Phu Giaにも米軍がやって来た。職人がこの笠を編んでいたところを目にした米兵が、あまりにも珍しいその技に魅了され、作り方を知りたいと職人を集め実演するよう命じた。この笠には何通りもの編み方があるが、職人たちが最も難しい方法を披露したところ、米兵が何か叫んだ。Lienさんには意味が分からなかったが、時が経つにつれ、「ベトナム人は素晴らしい!」とあの米兵は言っていたのだと確信するようになった。「Phu Giaの笠は米兵には作れないのさ」と彼女は誇らしげに言う。
 朝日が昇ると、人々は眠い目をこすりながら家路を急ぎ、辺りには人影もまばらとなった。この市場は午前5時に終わるのだ。

(Thanh Nien)

(2004/09/22 02:27更新)

※上記の情報は【ベトナム最新情報】より引用しています。

『ベトナム最新情報』は、ベトナムに投資・進出する日系企業の定番ビジネスニュースです。
詳細は『ベトナム最新情報』をご覧下さい。

ベトナムニュースヘッドライン

[クローズアップベトナム最新情報5084号 目次(07/20)
[コラム 日本人が起業したKAMEREO、ベトナム飲食業界の未来に貢献(07/20)
[日系企業情報日本のイオンが「ベトナムウィーク」、ベトナム産果物を輸入販売(07/19)
[コラムスマートホーム市場、無限の潜在性(07/14)
[日系企業情報日本製品販売チェーン、「PANPAN」が人気(07/13)

HOTNAM!トップ > ベトナムニュース > コラム > 数百年の歴史を持つ、真夜中のすげ笠市場 
トップ ニュース フォーラム 基礎データ 書店 生活情報 ディレクトリー

広告掲載 - お問い合せ - 利用規約 - プライバシーポリシー
©1999-2022 HOTNAM! All rights reserved.